私が社会人になったのは1990年代後半、いわゆる就職氷河期のさなかでした。
幸いにも私自身は、希望した1社目から内定をもらい、その会社に入社することができました。しかし周囲には、就職先がなかなか決まらない人や、希望とは異なる仕事に就いた人も少なくありませんでした。入社後も、同期が相次いで会社を辞めていきました。
当時は、バブル崩壊後のリストラが連日のように報じられていた時代です。「これからは自己責任」という言葉もよく耳にしましたが、私にはどこか、若者に負担を押しつけるための聞こえのよい言葉にも感じられました。
会社に入れば一生安心という時代ではない。会社から自分の身を守る準備も必要なのではないか。20代ながら、心のどこかにそんな少し冷めた感覚がありました。
小さなころから母親、親戚のおばさんからよく「貯金はしっかりしておきなさい」と言われていたこともあり、頭の片隅に残っていたのか給料から毎月5万円を先取りし、ボーナスも全額貯蓄するようになりました。実家暮らしで、もともとあまりお金を使わない性格だったことも幸いしました。
株式投資を始めるきっかけは、友人との何気ない会話でした。彼は父親の影響を受け、学生時代から株式を売買しているといいます。
私も以前から株には興味がありましたが、当時はまだ「投資はギャンブル」という見方が強い時代でした。親に話しても「危ないからやめた方がいい」と言われ、なかなか一歩を踏み出せずにいました。
それでも、身近な友人が実際に投資していると知り、「彼にできるなら、自分にもできるかもしれない」と一気に気持ちが動きました。居ても立ってもいられず、すぐに証券会社の口座を開設。2000年、なけなしの20万円を元手に株式投資を始めました。
当時の目標は、銀行預金より少しでも増やし、できれば元手を倍にすること。まさかそれが、20年以上続く資産形成の出発点になるとは想像もしていませんでした。
次回は、20万円から始まった初めての株式投資と、思いがけないビギナーズラックについて振り返ります。
※本記事は、筆者自身の投資経験を記録したものであり、特定の金融商品や銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の状況を踏まえて行ってください。

