第8章 貯めてきたお金が、投資への再出発と家族の暮らしを支えた

貯めてきたお金が、投資への再出発と家族の暮らしを支えた 株式投資

リーマンショック後、私は長い間、投資から少し距離を置いていました。

保有株のほとんどは売らずに持ち続けていましたが、新たな取引には積極的になれず、資産形成の中心は貯金でした。

その状況が少しずつ変わり始めたのは、保有株の価格が回復してきた頃です。

大きく下がっていた株価が戻り始めたことで、投資に対する不安も少しずつ和らいでいきました。また、家族が増えたことで、将来に向けてお金を準備することを、以前より強く意識するようになりました。

当時の取引記録を振り返ると、私は株主優待のある銘柄に関心を持ち始めていたようです。

なぜその時期に株主優待へ興味が向いたのか、今となってははっきり覚えていません。ただ、自分一人の利益だけではなく、買い物に使える優待券など、家族で利用できるものに魅力を感じていました。

投資が、資産額を増やすだけのものから、家族の暮らしにも役立つものへと少しずつ変わっていったのだと思います。

旧NISAが始まると、保有していた株をいったん売却し、非課税口座で買い直すことも始めました。

今から見れば基本的な制度の活用ですが、当時の私にとっては、再び投資へ意識を向ける一つのきっかけでした。ただ保有し続けるだけだった状態から、税金や保有方法も考えながら、自分の資産を整理するようになったのです。

さらに、老後に向けた資産形成としてiDeCoも始め、投資信託を購入しました。

それまでの私は、自分で銘柄を選ぶ個別株が投資の中心でした。投資信託を通じて長い時間をかけて積み立てるiDeCoは、それまでとは少し違う資産形成の方法でした。

短期的な値動きを追うのではなく、将来のために少しずつ準備する。家族が増えたこともあり、目の前の利益だけでなく、長い時間軸でお金を考えるようになっていました。

投資を再開した後、家族の暮らしを考えるなかで、一戸建てと車を購入しました。

どちらも人生のなかでは大きな買い物です。それまで数字として積み上げてきた資産を、家族の生活を支えるために実際に使う、大きな機会でもありました。

購入によって、手元の現金は大きく減りました。しかし、生活に必要なものを購入するための支出であり、迷いや不安はありませんでした。

むしろ、貯金を続けてきたからこそ、家族の生活に必要な大きな買い物にも余裕を持って対応できたことに、資産を築いてきた意味を実感しました。

資産は、通帳や証券口座の数字を増やすためだけにあるのではありません。必要なときに使い、生活を支えるためにある。資産があったことで、お金の心配をすることなく必要なものを選び、落ち着いて購入することができました。

リーマンショック後、投資に積極的になれなかった時期にも、貯金だけは続けていました。当時は、それを資産形成と呼べるのか分かりませんでした。しかし、その間に蓄えた現金があったからこそ、投資へ戻ることができ、家族のための大きな支出にも対応できたのです。

資産形成では、資産額が増え続けることだけが成果ではないのだと思います。

必要なときに安心して使えること。そして、使った後にも、また積み上げていこうと思えること。投資から離れていた数年間も含め、それまで続けてきたことが、家族の暮らしと次の資産形成を支える土台になっていました。

今回の格言

「備えあれば憂いなし」

投資から離れていた時期にも貯金を続けたことで、再び投資へ向かうことができ、家族のための大きな支出にも落ち着いて対応できました。必要なときに安心して使えることも、資産を築く大切な意味なのだと思います。

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